防災リュックの中に、子どものための「お菓子」や「おもちゃ」は入っていますか?
水や簡易トイレが命を守るために必須なのは言うまでもありません。
能登での家屋半壊、そして豪雨による3日間の停電と孤立。
僕自身、それらの備蓄に何度も助けられました。
ですが、真っ暗な部屋の中で恐怖に震え、泣き叫ぶ5歳の娘を救ったのは、高機能な防災グッズではありませんでした。
僕のリュックのポケットに突っ込んであった、透明なポーチに入った「いつものアポロチョコ」と「小さなぬいぐるみ」です。
この記事では、極限状態の被災現場で痛感した「子どもの心を日常に引き戻す備え」について、我が家で実践しているリアルなポーチの中身を公開します。
1. なぜ「生きるための非常食」だけではダメなのか?
大人にとっての防災は「命を繋ぐこと」が最優先です。カロリーと水分さえ摂れれば、味が単調でも数日間はなんとか我慢して乗り切ることができます。
しかし、5歳の子どもにとって、その「我慢」には限界があります。
激しい揺れ、停電による暗闇、散乱した部屋。
ただでさえ非日常の連続で極限のストレスを感じている中、「これしかないから」と硬いビスケットを渡されても、喉を通らないのです。
実際、被災直後の娘は恐怖と不安でいっぱいになり、「いつものご飯がいい」「パパ、こわいよ」と泣きじゃくりました。
そんな時、子どもに一番必要なのは「日常の切れ端」です。
「あ、これいつも食べてるやつだ」という『いつもと同じもの』に触れる瞬間だけが、子どもを非常事態から日常へと引き戻し、心を落ち着かせる魔法のスイッチになります。
2. 娘を笑顔にした「心のケア・ポーチ」のリアルな中身
では、実際に僕がどんなものをポーチに入れているのか。
ポイントは「非日常の中で、いかにいつもの日常を再現できるか」です。
ちなみにポーチ自体は、かさばらず中身が一目でわかる100円ショップのクリアポーチ(B6サイズ程度)を使っています。
豪雨被災を経験して痛感しましたが、避難時はリュックごとずぶ濡れになるリスクがあります。そのため、中のお菓子や折り紙がダメにならないよう、水を通さないビニール製のクリアポーチ(またはジップロック)を選ぶのが絶対条件です。
実際に透明ポーチに入れているのは、以下の3つです。
- いつものお菓子(アポロチョコ・グミ)
- 安心の象徴(小さなぬいぐるみ)
- 音の出ない遊び(シールブック・折り紙)

それぞれの選定理由と、被災地でのリアルな効果を解説します。
① 娘が大好きな「いつものお菓子」(アポロチョコとグミ)
防災用の長期保存おやつではなく、スーパーで買える「娘のド定番」を入れています。
暗闇の中でカバンからアポロチョコを出した瞬間、娘の泣き声がピタッと止まりました。
「パパ、これ食べていいの?」と涙目で聞いてきたあの顔は一生忘れません。
グミは「噛む」動作でストレス軽減に繋がり、ポロポロとカスがこぼれないので、仮設住宅の狭いスペースや車中泊でも周りを汚さずに食べられます。
② 手のひらサイズの小さな「ぬいぐるみ」
これは娘にとって「安心感の象徴」です。
手のひらサイズならポーチにすっぽり収まります。
暗闇の中で不安な時、ぎゅっと握りしめられる「お友達」がいるだけで、子どもの孤独感は大きく和らぎます。
③ 集中して遊べる「シールブック」と「折り紙」
停電時は、スマホやタブレットのバッテリー残量が気になり、動画を見せ続けることができません。
そんな時、音を出さずに狭いスペースで没頭できる100均のシールブックや折り紙が、余計な恐怖から意識を逸らしてくれます。
3. パニックの「応急処置」から、安心の「根本解決」へ
この「心のケア・ポーチ」のおかげで、娘のパニックは一旦落ち着きました。
しかし、ポーチのチョコはパニックを鎮めるための「応急処置」にすぎません。
アポロチョコを食べて一旦落ち着いた娘を、一晩中続く暗闇の恐怖から根本的に守り抜くためには、どうしても「物理的な明かり」と「スマホの充電(情報)」を確保する必要がありました。
実際の我が家の窮地を救い、安心を「確信」に変えてくれたのは、ポータブル電源です。
これがあったからこそ、明かりを灯し、タブレットでいつもの動画を見せて、娘に「もう大丈夫だよ」と心底安心させることができました。
4. 失敗しない!ポーチの管理とローリングストック術
市販のお菓子は数ヶ月で期限が切れてしまいます。
そこで我が家が実践しているのが、「週末のお出かけで食べて、月曜日に補充する」というローリングストックです。
休日に公園に出かける際、このポーチを持ち出し、おやつタイムに娘と一緒に食べます。
そして週明けの買い出しで新しいものを補充するだけ。
この方法の最大のメリットは、「いざという時に、子どもが『これ、週末に食べたやつだ!』とすぐに認識できること」です。
見慣れない防災食よりも、昨日まで食べていたお菓子の方が、圧倒的な安心感を与えてくれます。
5. いざという時にパッと出せる!最適な保管場所
どんなに完璧なポーチを作っても、いざという時にサッと取り出せなければ意味がありません。
我が家では、このポーチを「パパが一番持ち出しやすいメインの防災リュックの、外側のすぐ開けられるポケット」に入れています。
想像してみてください。
真っ暗な中、パパは重い防災リュックを背負い、家族の手を引いて安全な場所へ誘導しなければなりません。
その横で、5歳の娘はパニックになって泣き叫んでいます。
そんな極限状態の時、子ども自身にリュックを背負わせたり、カバンの奥底を漁ったりする余裕なんて、1秒もありません。
一番泣き叫んでいるその瞬間に、パパが片手でサッと「魔法のポーチ」を出せるかどうかが勝負なのです。
ちなみに、僕がこのポーチを入れているメインの防災リュック自体も、豪雨での孤立を経験した後に中身を大幅に見直しました。
いざという時に「本当に使えるリュック」の作り方については、こちらの記事にまとめています。
▶︎ あわせて読みたい:【実体験】防災リュックは本当に必要?豪雨で使い切ったからわかった中身の見直し
まとめ:今日からできる「いざという時のお守り」作り
非常事態の中で「何があってもパパが守るから大丈夫」と子どもに伝える時、その言葉を本物にするのは、事前の確かな準備です。
100円ショップとスーパーで揃う数百円のアイテムが、絶望的な暗闇の中で娘の笑顔を取り戻してくれました。
今度の週末、お子さんの好きなお菓子を一緒に選びながら、「いざという時のお守り」を作ってみませんか?
👇 ポーチと一緒に備えておきたい!我が家を救った防災アイテムまとめ
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