「備えてたのに足りなかった」能登地震+豪雨で分かった、子持ち家庭に本当に必要な10個

能登半島地震と豪雨の二度被災した経験から選ぶ、本当に必要だった防災グッズ10選のアイキャッチ画像。パソコンと電球のイラストが描かれたシンプルなデザイン 防災・備えの実践

「パパ、停電こわい…」

真っ暗な部屋で、娘が震えながらそう言ったとき、私は初めて”本当の無力さ”を知りました。

1年の間に、二度の災害を経験して分かったこと

私は、2024年という1年の間に、二度被災しました。

  • 2024年1月(能登半島地震): 帰省先の県外で発災。能登にいる義父たちは被災し、連絡が途絶。後日、自宅は「半壊」認定を受けました。
  • 2024年9月(能登豪雨): ようやく入れた能登の仮設住宅で、今度は私たちが直接被災。土砂崩れで道路は寸断し、電波も途絶しました。

ニュースで見ていた「防災」と、実際に電気も水も道も絶たれた「現実」は、まったく違うものでした。

用意していたはずの防災リュック。それらは、決して無意味ではありませんでした。でも、”十分”ではなかったのです。「備えているつもり」では、家族は守れません。

この記事で紹介するグッズは、ネットで調べたランキングではありません。 能登半島地震で義父たちから聞いた話と、能登豪雨で実際に孤立して分かった経験をもとに、「これがないと家族を守れない」と痛感し、私が実際に買い走ったものだけを厳選した10選です。

① 非常用トイレ(最優先)

これは声を大にして言います。 防災グッズで最優先なのは、非常用トイレです。食料でも、水でもありません。

なぜトイレが最優先なのか 震災直後、最も困ったのがトイレでした。水が出ない。下水が使えない。仮設トイレは長蛇の列。 しかも、わが家は半身麻痺の妻がいるため、仮設トイレまで行くことが現実的ではありませんでした。バリアフリー対応の仮設トイレもありましたが、数が少なく、遠い。 非常用トイレがなければ、本当に詰んでいました。

どれくらい必要? 最低100回分。できれば200回分です。 「多すぎない?」と思うでしょう。でも、計算してみてください。

  • 1人1日:5〜7回
  • 家族4人:20〜28回/日
  • 1週間:140〜196回

200回分あっても、1週間でギリギリです。しかも、ストレス下では頻尿になる人も多い。特に子どもは顕著です。「100回分も買うの?」と思うかもしれませんが、使わなければそれでいいんです。あって困るものではありません。トイレの不安がないだけで、精神的な余裕がまったく違います。

おすすめ非常用トイレ

商品回数価格目安おすすめ度
BOS非常用トイレセット50回約6,000円⭐⭐⭐⭐⭐

BOS非常用トイレセット
100回分約10,000円⭐⭐⭐⭐⭐

迷うなら、まずは50回分。
トイレの不安が消えるだけで、心が軽くなります。

② 飲料水+給水リュック

水は自衛隊の給水車が来てくれます。でも問題は、「運ぶこと」です。

水の重さを甘く見てはいけない 2Lのペットボトル6本。それだけで12kg。女性や高齢者には、本当にきついです。しかも、子どもの手を引きながら、片手で12kgを運ぶのは不可能に近い。 わが家の場合、母が給水所から家まで何往復もして、腰を痛めました。

給水リュックが最強の理由 両手が空くので、子どもの手を引けます。背負うので、体への負担が分散されます。普通のポリタンクだと、片手がふさがり、バランスも悪いです。特に子連れには、リュックタイプ一択です。

備蓄水+給水リュックの組み合わせ

商品容量価格目安おすすめ度
保存水 2L×12本24L約2,500円⭐⭐⭐⭐⭐
給水リュック 10L10L約1,500円⭐⭐⭐⭐⭐
  • 折りたたみ給水リュック 10L + 保存水(5年) 10L〜20Lのものを、人数分用意してください。家族全員がそれぞれ持っていれば、給水所の列に並ぶのも1回で済みます。

③ ウェットティッシュ

水が使えない生活で、ウェットティッシュは命綱になります。

こんなときに使う

  • 手を拭く
  • 体を拭く(お風呂に入れない)
  • 食器を拭く
  • 子どものおしり拭き

特にお風呂に何日も入れないストレスは、大人でもきついです。大判のウェットティッシュで体を拭くだけでも、気持ちがスッキリします。

どれくらい必要? 箱買い推奨です。1箱(10パック入り)あっても、すぐになくなります。特に、赤ちゃんや小さい子どもがいる家庭は、多めに備えてください。

商品回数価格目安おすすめ度
シルコット ウェットティッシュ43枚×8個×4セット約5,000円⭐⭐⭐⭐⭐
からだふきシート30枚×3セット約2,000円⭐⭐⭐⭐⭐

④ 防災セット(基礎装備)

ここまで読んで、「やっぱり基本の防災セットも必要だよね」と思ったはずです。その通りです。でも、重要なのは「買うこと」ではなく、「中身を理解しておくこと」です。

震災直後、私が後悔したこと 自宅に防災リュックはありました。でも、何が入っているか、まったく把握していなかったのです。 懐中電灯はどこ?絆創膏は?ホイッスルは? 焦りながら中身を確認する時間が、どれだけ無駄だったか。

防災セット選びのポイント

  • 家族の人数分+1個(予備は必須)
  • 中身のリストが同封されているもの
  • 子ども用の防災セットも別途検討

「とりあえず買った」では意味がありません。年に1回は中身を確認し、実際に懐中電灯をつけたり笛を鳴らしたり、使い方を家族で共有してください。それだけで、いざという時の冷静さがまったく違います。


おすすめ防災セット

商品人数価格目安おすすめ度
防災士監修 防災セット1〜3人用約19,800円⭐⭐⭐⭐⭐

アイリスオーヤマ 防災セット
2人用約13,500円⭐⭐⭐⭐

迷う時間があるなら、まず1セットだけでも家に置いてください。

そして、市販のセットを買った後は、自分の家族に合わせて中身を「補強・自作」していくことが重要です。
豪雨でリュックを使い切ってわかった見直しのコツはこちらで解説しています。

⑤ ポータブル電源

これは贅沢品ではありません。家族を守るためのお守りです。 能登半島地震のとき、私はポータブル電源を持っていませんでした。でも、その後の能登豪雨で被災したとき——私は即座に購入を決めました。

なぜポータブル電源が必要なのか スマホが使えない不安を、あなたは想像できますか? 震災直後、携帯電話の電波は数日間入りませんでした。それでも、スマホが手元にあって充電できる。それだけで、精神的な余裕がまったく違いました。 「家族は無事だろうか」「次の給水車はいつ来るのか」「避難所の情報は?」 電源がなければ、すべてが真っ暗です。

暗闇の中で、娘が言った一言 停電した夜、娘は不安そうに私の服の裾を握りしめていました。私が手持ちの明かりを灯し、パッと部屋が明るくなった瞬間——娘が顔を上げて、こう言ったんです。

「パパ、きらきらして綺麗だね」

その言葉を聞いた瞬間、張り詰めていた私の心から、ふっと涙がこぼれそうになりました。 大人にとってはただの非常用照明。でも、不安でたまらなかった娘にとっては、それは暗闇を追い払ってくれる「魔法の光」だったんです。

ポータブル電源で何ができる?

  • スマホの充電(家族全員分、何度でも)
  • ランタンの充電
  • 小型の暖房器具(冬場は命綱)
  • 電気毛布
  • ノートPCでの情報収集
  • 子どもにタブレットで動画を見せる(ストレス軽減)

特に、子どもがいる家庭には絶対に用意してほしい

不安な夜、スマホで動画を見せてあげる。
それだけで子どもは落ち着きます。


ポータブル電源を選ぶポイント

容量スマホ充電回数価格目安対象家族
240Wh約15回2万円台1〜2人
500Wh約30回5万円台2〜3人
768Wh約40回7万円台3〜4人
1000Wh〜約60回〜10万円台〜4人以上

容量は最低でも500Wh以上が安心です。


私が選んだポータブル電源

EcoFlow RIVER 2 Pro (768Wh)

我が家が実際に選んだモデル。
容量、充電スピード、価格のバランスが最高。
70分で満充電になるスピードも安心。


予算別おすすめ

【コスパ重視】まずは最低限

  • Jackery ポータブル電源 240 (241.9Wh)
  • 約2万円 / 1〜2人家族向け

【バランス型】迷ったらこれ

  • EcoFlow RIVER 2 Pro (768Wh)
  • 約7万円 / 3〜4人家族向け

【最強の安心】長期間に備える

  • Anker Solix C1000 (1056Wh)
  • 約14万円 / 4人以上の家族向け

これは贅沢品ではありません。
家族を守るためのお守りです。

⑥ カセットコンロ+ガスボンベ

温かい食べ物は、心を救います。 冷たいおにぎりを、何日も食べ続ける生活を想像してみてください。体は冷え、心も冷える。そんなとき、カセットコンロで温めた味噌汁を一口飲む。たったそれだけで、涙が出そうになりました。

お湯が沸かせる。それだけで救われる カップラーメンが食べられる、レトルト食品を温められる、コーヒーが飲める、赤ちゃんのミルクが作れる。温かい食べ物は、生きる希望になります。

ガスボンベは何本必要? 最低12本。できれば24本です。1日3回の調理で3本使うとして、1週間分で21本。「買い過ぎかな…」くらいが、ちょうどいいです。

カセットコンロ本体は、普段のキャンプやBBQでも使えるので、防災用としてだけでなく、日常使いもできます。


おすすめカセットコンロセット

商品価格目安おすすめ度
岩谷産業 カセットフー約4,000円⭐⭐⭐⭐⭐
イワタニ カセットガス 12本約3,500円⭐⭐⭐⭐⭐

岩谷産業は信頼性が高く、長持ちします

⑦ 子ども用お菓子・非常食

非常食を食べない子、います。うちの子もそうでした。 せっかく用意した非常食でも、慣れない味や食感、そしてストレス下ではなおさら口をつけようとしません。

そんなとき、救世主になったのが「いつも食べているお菓子」です。

「普段の味」が安心を与える クッキー、グミ、ラムネ、チョコレート。「普段の味」は、子どもにとって最大の安心材料です。非常食だけを備えるのではなく、普段から食べているお菓子をローリングストック(食べては買い足す)してください。

さらに、時々「災害が起きたら、こういうのを食べるんだよ」と、非常食を食べる練習をしておくことも大切です。

おすすめ非常食+お菓子

商品内容価格目安
非常食セット 12種12食約3,500円
カロリーメイト チョコレート味40本約2,000円
井村屋 えいようかん10〜30本約1,500円

※普段の味に近いものを

⑧ ランタン

夜の暗さは、想像以上に怖い。 停電した夜、街灯もない、月明かりだけの暗さは、都会では想像できないレベルです。子どもは怖がり、大人だって不安になります。そんなとき、明るいランタンがあるだけで、安心感がまったく違います。

ランタン選びのポイント

  • 明るさ:1000ルーメン以上
  • 連続点灯時間:10時間以上
  • 充電式+電池式の両方に対応

充電式だけだと、停電が長引いたときに詰みます。電池でも使えるタイプを選び、家族の人数分+1個は用意してください。

おすすめLEDランタン

商品明るさ価格目安おすすめ度
GENTOS(ジェントス)1000ルーメン約5,000円⭐⭐⭐⭐⭐
Coleman(コールマン)1000ルーメン約6,000円⭐⭐⭐⭐

※アウトドアメーカーのものが頑丈で信頼性高いです

⑨ ラジオ

情報は、命綱です。スマホが使えなくなったとき、あなたは情報をどうやって得ますか? 震災直後、携帯電話の基地局が倒れ、電波が入らない地域が続出しました。そんなとき、唯一の情報源が「ラジオ」でした。

ラジオは「手回し充電式」が最強 電池式だと、電池が切れたら終わりです。手回し充電式なら、電池がなくても使えます。さらに、多くの手回しラジオにはLEDライトやスマホ充電機能、サイレンがついています。

おすすめ手回しラジオ

商品機能価格目安おすすめ度
ソニーICF-B300手回し/ライト/充電約14,000円⭐⭐⭐⭐⭐
パナソニック RF-TJ20手回し/防水/充電約7,500円⭐⭐⭐⭐

⑩ 乾電池

最後に紹介するのは、地味だけど超重要なアイテム。乾電池です。 ランタン、ラジオ、懐中電灯、子どものおもちゃ。

電池が必要なものは、想像以上に多いです。 震災後、最も品薄になったのが乾電池でした。

コンビニもホームセンターも、棚は空っぽ。

幸い、わが家は大量にストックしていたため困りませんでしたが、近所の方に分けてあげると、涙を流して感謝されました。

どれくらい必要?

  • 単3電池:40本以上
  • 単4電池:20本以上

さらに、乾電池は消費期限が長い(10年程度)ので、多めに買っておいて損はありません。

「こんなにいらないでしょ?」
そのくらいが、ちょうどいい。


おすすめ乾電池セット

商品内容価格目安
Amazonベーシック 単3×48本48本約1,500円
Amazonベーシック 単4×36本36本約1,000円

※まとめ買いがお得です


番外編:集合場所の共有

最後に紹介するのは、モノではありません。でも、これが一番大切です。 「どこに集まるか」を、事前に決めておいてください。

震災直後、携帯電話は使えません。LINEも繋がりません。 連絡手段がゼロになる可能性を想定し、「学校のグラウンドに集まる」「近所の〇〇公園に集まる」と決めておくだけで、家族の生存率は格段に上がります。

集合場所を決めるポイント

  1. 家族全員が知っている場所(子どもでも分かる)
  2. 倒壊リスクが低い場所(古い建物の近くは避ける)
  3. 第1候補、第2候補を決めておく(第1が使えない場合に備えて)

さらに、

  • 学校や職場にいる時間帯の集合場所
  • 夜間の集合場所
  • 平日と休日で分ける

ここまで決めておくと、完璧です。

年に1回、家族会議を開いてください。「もし今、地震が起きたら、どこに集まる?」それを確認するだけで、いざという時の冷静さが違います。


まとめ:今すぐ全部揃えなくていい

ここまで読んでくださって、ありがとうございます。 でも、きっとあなたは今、「全部揃えるのは無理だよ…」と思っているかもしれません。

大丈夫です。今すぐ全部揃えなくていい。 でも、1つだけ。今日、1つだけでいい。トイレでも、水でも、電源でも。

“何もしない”ことだけは、選ばないでください。

優先順位をつけるなら、

  1. 非常用トイレ(最優先)
  2. 飲料水+給水リュック
  3. ポータブル電源

まずは、この上位3つから。それだけでも、家族の安全は格段に上がります。

災害は、ある日突然きます。そして、「なんとかなる」は通用しません。 私は、能登半島地震で義父たちの「もっと備えておけばよかった」という後悔を聞き、その後の豪雨で「備えの大切さ」を身をもって知りました。

子どもがいる家庭の備えは、未来への責任です。 「あの時、買っておけばよかった」と後悔する前に——今、この平穏な時にこそ、未来の家族のために備えてください。 明日ではなく、今日。今すぐ、始めましょう。

ゆるり

能登での二重被災(地震・豪雨)を経験し、現在は仮設住宅にて生活しています。

身体障害1級の妻の介護と、5歳の娘の育児を同時に担う「ダブルケア」の毎日。
絶望の淵から立ち上がり、家族との未来を守るために2026年1月よりブログを再始動しました。

目標は、ブログを通じた情報発信で、自宅再建と生活の基盤を作ること。
過酷な環境下で家族を支えるためのリアルな挑戦の記録や、日々の工夫を発信しています。

同じ境遇の方や、人生の壁に立ち向かっている方の力になれば幸いです!

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